BigBangと2NE1のアルバムジャケットデザイナーチャン・ソンウンがYGエンターテイメントの内情を語る

この記事の著者

韓国出身のKPOP・韓国芸能専門フリーライター。慶応義塾大学卒業。

日本にて韓国ドラマや映画の翻訳及び輸入事業をサポート。広告代理店勤務を経て、2012年から韓国Mnetにて、M COUNTDONWやMAMAなどのPRやマーケティングに関わる。

現在は同社退職後、フリーライターとして、幅広い形で日韓文化交流にかかわっている。

美人デザイナーとして有名なチャン・ソンウンさん。

今は独立して起業していますが、YGエンターテインメントに所属し、BigBangやG-Dragon、2NE1、PSYらのアルバムやグッズのデザインをしていました。

今回は彼女を通して見るYGの内情について紹介します♪

 

インタビュアー:YGエンターテインメント(以下、YG)に入社したのは、本格的にエンターテインメント会社に通ってみたいという考えがあったんですか。

チャン・ソンウン:いいえ。 それは全然なかったです。 会社に入って働く気は全然なかったんです。 会社生活そのものが嫌いだったわけではなく、自由に働きたいという気持ちがありました。 誰もが憧れる夢じゃないですか。 しかし、人生は計画通りにならないんですね。 ロシアに行くつもりだったけど、それも行けなくなったし。

 

インタビュアー:そんな方がエンターテインメント会社に入社したら、新しく気づいたり特別に感じた点があったんじゃないですか。

チャン・ソンウン:実際にYGの中に入ってみたら、芸能人一人の影響力が、私が思ったよりはるかに大きかったです。入社前は外部者だったから、私の仕事にだけ集中してたし、それがどんなのかよく分からなかったんですよ。 ところがYGに来たら、はじめて何かが感じられました。 ファンたちは、雨が降ろうが雪が降ろうが布団かぶって自分が好きなアイドルだけを待ってるし、アイドルの人生を真似したりもしています。 ここが単純に私の夢を実現させる場所に使われちゃいけないと考えました。 使命感を持って仕事をする人が必要だと思いました。

 

インタビュアー:YGでの会社生活そのものはどうでしたか?

チャン・ソンウン:私にYGはとても楽な所でした。 すべて認められて入社したし、それだけ待遇も良かったです。何より一番よかったのは、YGが放牧型の会社だったという点でした。 私がやりたいように仕事ができるようにそのまま任せてくれました。 任された部分をしっかりやれば良くて。会社の中で勤務していたのにもかかわらず、自由だったんです。 ご飯もくれて、運動も出来て…(注:YGの社食は社員の場合は無料。社員向けのジムもあるそうです)。それも良かった。

すべての条件がよかったのは確かです。 さらに、ヤン・ヒョンソク代表が私がフリーの時にやっていた作業も続けてもいいと言ってくださったんですよ。 もちろん勤務時間には作業しなかったけど、一応そうおっしゃってくださったこと自体がありがたかった。

 

インタビュアー:デザインの素材や材料はどのように決定しますか。一般的に考えられない事をたくさん使っていたんですが。

チャン・ソンウン:いろいろなプロセスが進むことによって、自然に素材候補が浮かびます。 例えば、わたしがRainのアルバム作業をする時は、’雨’と関連したすべての要素を使ってみたかったんです。 雨粒、虹などたくさんあるじゃないですか。それですごくたくさんのことを考えました。 絵で雨のしずくを描いて入れるのか、本当の雨粒を入れるのか、写真を撮って入れるのか、印刷してやってみるかなどなど…。色々な方法の中でベストを選ぶんです。 このプロセスを経て完成された試案のいくつかを会社と話し合って、最終案を決定するようになるんです。

 

インタビュアー:結局、デザイナーも現場での経験が本当に重要な職業ですね。

チャン・ソンウン:はい。 デザイナーが持っていなければならないのはアイデアだけではないです。 AからZまですべてのプロセスを経験してみなければなりません。 現場で印刷を担当している方の話を聞いてみると、デザイナーたちは机に座っているだけで、足を運ぼうとしないということです。アナログ式ですが、人が体で覚えたのは一生記憶に残ると言うじゃないですか。 デザインもそうです。 若い時、足を運んで材料を見て見たり、印刷される過程を見守りながら、私が画面に作業したのが実際にはどう出るかもチェックしてみなければなりません。

 

インタビュアー: YGはとても個性豊かなミュージシャンたちが集まっています。 彼らと作業をしながらその個性を一つ一つ生かすために特別に考慮したものがありましたか。

チャン・ソンウン:YGだけがそうだとは思いません。もちろん、YGが持っている全体的なブランドイメージはあります。 YGは、アイドルやヒップホップでよく知られた会社ですから。 私もそのような独特なアイデンティティをデザインに盛り込もうとしました。 また、アイドルとそうでないアーティストたちの間に存在する年齢差があり、そこから始まったイメージの違いが存在します。 また、デザイナー1人と10年間一緒に仕事してきたから、一貫したブランドイメージを構築したという点も特徴です。 でも、どこの会社と仕事するにしても、作業するときはアーティストごとに持っている固有のイメージ、会社やアーティストとの連携性を探すことに力を入れます。

 

インタビュアー:アーティストグッズの中で一番気に入ったのは、何ですか。

チャン・ソンウン:2NE1の…。

 

インタビュアー:2NE1に特に愛情を持っています。

チャン・ソンウン:ハハ。そういうわけじゃないです。 このアーティストグッズが特に好きです。 一つはノートです。 普通のノートですが、よーく見てみると、中にO、Xの表示あります。 友達待ちながら、特にする事がない時に、Oを全部塗っていいきます。そうすると、2NE1メンバー1人の顔が完成されます。 ドットの形式で作品を作る気分で構想したんです。 この方法を活用すれば、どんな歌手の顔でも表現できます。 ノート業界のフラットフォームを作る気持ちで野心的に準備しました。 他は2NE1のトランプカードです。 これは社員たちが非常に苦労をしました。

一つ一つ、みんな手描きして完成しました。

 

インタビュアー:さっき鈍感な性格が長所だとおっしゃったんですが。 デザインも音楽でも、いわゆる”私、芸術してる!”といわれる人たちは敏感な方が多そうですが・・・

チャン・ソンウン:以前は、こう思っていました。音楽をする人とデザインする人は、大衆の目と耳を楽しませる人なのに、何でそんなに敏感なの?ハハ。でも私が経験してみたら、敏感にならざるを得ない理由があったんですね。 一般的な見方で物事を見ることが100とした時、デザイナーはこれを6400倍に拡大して見るんですよ。 普通の人には見えない部分が目に見えるんです。 これが両刃の剣です。 その作業を毎日繰り返していると、ずっと目が整って、繊細になり、もっと繊細になります。 最初は見えなかった行間、全体的なバランスなどが見えてきます。 どんどん気に障るようになるんです。それで、私は作業をする度に、現実との間で中心を忘れないようにと常に思います。 それがデザイナーの人生だと思います。

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