「イカゲーム」を見た方に読んでほしい作品の裏話17選

この記事の著者

韓国出身のKPOP・韓国芸能専門フリーライター。慶応義塾大学卒業。

日本にて韓国ドラマや映画の翻訳及び輸入事業をサポート。広告代理店勤務を経て、2012年から韓国Mnetにて、M COUNTDONWやMAMAなどのPRやマーケティングに関わる。

現在は同社退職後、フリーライターとして、幅広い形で日韓文化交流にかかわっている。

全世界で話題沸騰中のネットフリックス「イカゲーム」!

韓国ネットフリックスが制作した作品の中では初めて、ほぼ全世界でランキング1位を記録した大人気の作品です。

今回は「イカゲーム」を見た方に読んでほしい作品制作の裏側や隠れた意味、韓国で起きた作品への非難などのとりびあをまとめて紹介します。

※※※ここからはストーリーに関するネタバレが含まれています※※※

※※※個人の主観による解説が含まれています。監督の意向を100%反映しているものではありません※※※

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「イカゲーム」を見た方に読んでほしい作品の裏話17選

その1、だるまさんが転んだのあの子は実在してた

「イカゲーム」の第1回目のゲームとして登場する「だるまさんが転んだ」。

誰もが知っているシンプルなゲームですが、ゲームの緊張感を高めるのが不気味な巨大人形

幼い女の子の形をしていますが、何だか妙な雰囲気を持っていますね。

今回の作品のために特別に作られたというこの巨大人形、韓国の忠清北道にある博物館に展示されていました!

作品がヒットしてから博物館には「イカゲーム」を見たファンが訪れたりしたのですが。

2021年10月現在、制作会社の要請により一般公開は中止しています。

その2、ゲームを行うあの島も実在してた

「イカゲーム」が行われるのは韓国ソウル近郊のとある島。

C字型でちょっと変わった形のこの島は、韓国仁川市にあるセンガプ島です。

島だけど山が高く険しいため、地元ではセンガプ山と呼ばれてるんだとか。

ここは無人島ではなく、周辺住民が仕事や島の管理のために行き来してるとのことですが、定期便などはなく、観光目的での訪問は難しそうです。

その3、あの紙幣はすべて偽物

「イカゲーム」の中で参加者が死亡する度にどんどんお金がたまっていた貯金箱。

その貯金箱の中にある50,000ウォン(約5,000円)札は、すべて偽物です。

「イカゲーム」の制作費は約200憶ウォン(約20億円)なので、そのお金を全て札に変えて入れても、

賞金の456憶ウォンには半分以上足りないですしね(笑)。

当たり前な演出だと思います。

その4、ギフンは空気しか食べてなかった

「イカゲーム」の主人公のシン・ギフンが、ゲームとゲームの間でお弁当を食べるシーン。

ギフンを演じるイ・ジョンジェさん…

実は空気しか食べていません!!!

こちら編集してても気づかれなかったということですから、イ・ジョンジェさんの演技力すごい。

韓国では「空気モクバン」だと言われています。

その5、シン・ギフンが賞金を1銭も使わなかったのはおかしい

すべてのゲームが終わって最後まで生き残った主人公のシン・ギフン。

ギフンには約束通り456憶ウォンの代金が振り込まれますが、最終話では優勝してから1年間、ギフンは賞金を1ウォンも使っていません。

作品の中ではギフンが罪悪感を感じての行動のように描かれますが。

ゲームに参加する前にギフンは闇金に追われていた状況だったことを考えると、賞金をまったく使わなかったことは不思議な設定です。

一部のファンからは、運営側がギフンの行動を観察するために、運営側が借金も返済してあげたのではないかという解釈も出ています。

その6、イルナムとギフンの最後のゲームの意味とは

最終話でイルナムがギフンを呼び出し、真冬に道ばたで倒れたホームレスを助ける人が現れるどうかかけたゲーム。

ここでギフンは「助ける人が現れる」にかけて、イルナムとのゲームで勝利します。

短編的にみると人への希望・信頼を失っていないギフンの姿が描かれているように見えますが。

違う方面から考えると、ギフンが本当にホームレスの命を大事に考えたなら、外に飛び出してホームレスを助けることだってできたはずです。

でもギフンは当たり前のようにイルナムが提案したゲームにまた参加しまいますし、最後の最後にはあれほど憎んでいたはずの「イカゲーム」に戻るという結果になります。

それはギフンが「イカゲーム」の主催側に同化されているという意味でも解釈できると思います。

その7、イカゲームは韓国人なら誰でも知ってるわけではない

作品の中で韓国人なら誰もが知っているゲームのように紹介される「イカゲーム」。

もちろん広く知られているゲームではありますが、韓国人なら誰もが知っているほどではないです。

外で遊ぶことが減ってきた今時の子供たちなら余計に分からない子が多そう。

実際にネットフリックス側も最初は「イカゲーム」というタイトルに疑問を感じて、「ラウンド6」など違うタイトルを提案したそうです。

しかしファン・ドンヒョク監督の意志が強く、「イカゲーム」のままで公開し、作品は大ヒットしました。

ちなみにブラジルでは「イカゲーム」をポルトガル語で直訳した言葉が、特定の政治家の名前を連想させるため、世界で唯一「ラウンド6」という名前で公開されています。

その8、監督は韓国映画界からイカゲームのシナリオを何年も断られてきた

(画像:ファン・ドンヒョク監督)

「イカゲーム」を演出したのは映画「怪しい彼女」「天命の城」などを手掛けたファン・ドンヒョク監督。

ヒット作をいくつも生み出していますし、人気の高い監督ではありますが、「イカゲーム」の制作までは相当苦労したそうです。

監督インタビューによると「イカゲーム」のストーリーを考え、シナリオを書いたのは2008年~2009年頃

しかしなかなか投資先が見つからず、10年以上も制作ができずにいた矢先、ネットフリックスからの投資が決まってやっと制作できたんです。

そんな作品が全世界で1位にランクインするほどの人気を得ていますからね。

今頃、後悔している投資家たちが多いのではないかと思います(笑)。

その10、監督は日本の作品を参考にしている

監督は「イカゲーム」のシナリオを書く上で、「賭博黙示録カイジ」「ライアーゲーム」「バトル・ロワイアル」など日本の作品を参考にしていると明かしています。

日本の作品を読みながら「自分が参加したらどうなるか」と考え始めたのが「イカゲーム」のスタートなんだとか。

それからゲームが難しくなってはいけないと思って、子どもたちが遊ぶゲームをモチーフにしたということです。

その9、監督はシーズン2なんて考えていなかったけど…

「イカゲーム」がこれほど人気が出る前、監督は「シーズン2だなんて、考えるだけで疲れる」と語っていました。

ファン監督は映画作りに慣れていただけに、ドラマ制作は大変すぎて、ストレスや過労で歯が抜けてしまったりとしたんだとか。

しかし「イカゲーム」が全世界で人気が沸騰したから、ファン監督は「無限の可能性があります」としていますし。

主人公ギフンを演じたイ・ジョンジェさんもシーズン2について「今は企画をしなければならない時期」と語っているので、ファンの間では期待感が高まっています。

その10、主人公が暮らす街は監督の出身地

「イカゲーム」で最後の最後まで生き残るシン・ギフンとチョ・サンウ。

映画の中で二人はソウルの双門洞(サンムンドン)という街の出身として描かれます。

その双門洞(サンムンドン)はファン監督の地元でもありますし、

①シングルマザーが息子を育てる

②市場で商売をして生計をたてる

③半地下などに暮らす

④貧しい中でもソウル大学に入学などの設定がすべて監督自身の経験です。

その11、俳優たちが口を揃えて一番苦労したと語ったゲームとは

撮影終了後のインタビューで俳優たちが一番苦労したと語ったのはラウンド3の綱引き。

なるべくCGを使わずにリアルな感じでの映像作りのために、巨大なセットを作り、俳優たちに本気の綱引きをさせたそうです。

(俳優たちの反対側で機械が引っ張っていたとのこと)

しかも負けた人達が落下するシーンも、(安全装置はしっかりしてるけれど)実際に釣られて落下させたり。

この撮影が終わった後、俳優全員が疲れ切って床に寝転んでしまったんだとか!

その12、実際にある電話番号使って非難殺到した

※2021年10月現在、番号が露出される部分は全て修正されています。

「イカゲーム」の招待者が参加者に渡した名刺に書かれている電話番号。

それが映画製作などとは全く関係ない一般の方が使用していた番号でした。

そのせいで「イカゲーム」の公開後に、その番号に「イカゲームに参加したい」との連絡が殺到してしまったんです。

しかもこの問題が話題に上がってからも、ネットフリックス側はすぐに対応せず、韓国ではネットフリックスの不注意な対応に非難が殺到しました。

ネットフリックス側が被害者にどのような対応を取ったかは明らかになっていませんが、今では電話番号の部分は全て修正されています。

その13、チンピラ役のドクスを演じた俳優は実は超エリート

「イカゲーム」のストーリー展開で大事な役割をするチンピラのチャン・ドクスを演じたホ・ソンテさん。

(日本ではホリエモンに似てるという話もあるみたいですねー笑)

極悪非道で非常識的な役柄がぴったり!な見た目ですが、実は国立大学を出て、LG電子で海外営業を担当していたエリート。

大学でロシア語を専攻したので、ロシア語が流暢で、ロシアと韓国を行き来しながら働いていたんだとか。

そんなホ・ソンテさんは2011年、35歳の時に「奇跡のオーディション」というサバイバル番組に出演して俳優の道を歩み始めます。

「イカゲーム」の手掛けたファン・ドンヒョク監督の前作「天命の城」にも出演しています。

その14、アブドゥルを演じた俳優も実は有名芸術学校の奨学生

家族のためにパキスタンから韓国に出稼ぎにきた労働者アリ・アブドゥルを演じたトリバティ・アヌファム。

外国人ながらも韓国語も上手く、演技も上手で好評を得ています。

そんな彼はインド出身で、2010年に韓国芸術総合学校の国家奨学生制度に合格して、韓国に来るようになったそうです。

韓国芸術総合学校は韓国の国立芸術大学で、入学することも入学して卒業することも国難と言われているところ。

キム・ゴウン、ビョン・ヨハン、パク・ソダム、イ・ソンギュンなどの俳優が韓国芸術総合学校出身です。

トリバティ・アヌファムは現在、韓国芸術総合学校の修士課程に在学中です。

その15、警察役は元々の台本にはなかった

「イカゲーム」の謎を探るために危険な行動を繰り返す警察官ファン・ジュノ。

ファン・ジュノ役は監督の元々のシナリオには登場しなかったのですが、映画ではなくドラマ化にすることが決まってから作られた人物です。

警察なのに平気で何人もの人を殺すファン・ジュノの行動に疑問を感じたファンも多いみたいですが。

監督のインタビューなどから考えるとシーズン2で活躍することが予想されます。

その16、型抜きゲームの撮影のために招いたカルメ焼き専門家

型抜きゲームで使われたカルメ焼きはすべて本物!

撮影スタッフたちはソウルのデハンロの露店で25年間カルメ焼き商売をしてるイム・チャンジュさんとチョン・チョンスンさん夫婦を招いたそうです。

元々は1日だけ撮影に参加するはずだったのですが、撮影が長引いてなんと3日もほぼ現場で寝泊まりしながらカルメ焼きを作ることになったんだとか。

(画像:韓国日報)

「イカゲーム」への撮影協力が知られてから、デハンロの露店にはファンが殺到。

お二人は「イカゲーム」を見る暇もなく働いているそうです。

その17、飛び石ゲームのセットはものすごく怖かったらしい

撮影にとにかくリアリティーを求めていた監督は、美術監督と相談して飛び石ゲームのセットも映画に登場する形そっくりに作り上げました。

しかも自然な演技のために地面から1.5メートルの高さに設置。

セビョク役を演じたチョン・ホヨンは「飛び石ゲームは実際に本当に怖かった」と語っています。

まとめ

ここまで「イカゲーム」のとりびあを紹介いたしました。

この記事が作品をもっと楽しめるきっかけになると嬉しいです。

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