外見至上主義作家の新連載「漢南洞ケイハウス」が非難される理由

この記事の著者

韓国出身のKPOP・韓国芸能専門フリーライター。慶応義塾大学卒業。

日本にて韓国ドラマや映画の翻訳及び輸入事業をサポート。広告代理店勤務を経て、2012年から韓国Mnetにて、M COUNTDONWやMAMAなどのPRやマーケティングに関わる。

現在は同社退職後、フリーライターとして、幅広い形で日韓文化交流にかかわっている。

日本と韓国で大人気を得ているウェブ漫画『外見至上主義』!

最近『外見至上主義』の作家が新しい作品『漢南洞ケイハウス』の連載を始めたのですが、それが韓国で非難の的になっています。

韓国で『漢南洞ケイハウス』が叩かれている理由について調べてみました。

 

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◆漫画家パク・テジュンの新連載『漢南洞ケイハウス』

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오랜만에 건대

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パク・テジュンさんが描いているウェブ漫画『外見至上主義』は、韓国だけではなく日本でも人気がとても高いです。

2014年に連載をスタートして、NAVERウェブ漫画サービスで常に人気はトップクラス。

日本でもLINEマンガで連載されていて、注目度の高い作品だと思います。

 

ただ『外見至上主義』は暴力を正当化したり、結局は外見が大事だって言っていると、非難されている部分も多いです。

 

参考記事:

人気ウェブ漫画「外見至上主義」が韓国で非難を集めている意外な理由とは

これら批判についてパク・テジュンさんも、改善をしていくと話している状況ではあります。

そんな中、パク・テジュンさんは2018年12月から同じくNAVERウェブ漫画で新連載をスタート。

画像:https://comic.naver.com/webtoon/list.nhn?titleId=718707

 

作品タイトルは『漢南洞ケイハウス』で、デザイナーを夢見て田舎から上京した男の子が主人公の作品です。

パク・テジュンさんは大人気の漫画家ですから、『漢南洞ケイハウス』は連載スタート後、すぐに人気作品に。

多くの注目を集めましたが…またもや非難の的になっています。

 

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◆『漢南洞ケイハウス』が非難されている理由

非難の理由1、田舎出身をバカにしすぎ

画像:https://comic.naver.com/webtoon/list.nhn?titleId=718707

 

『漢南洞ケイハウス』の主人公はファッションデザイナーを夢見る21歳の男の子です。

彼は小さな島で生まれ育ったのですが、 世界的デザイナーK(ケイ)のインターンシップ面接を受けるために上京。

見事に合格してデザイナーKの弟子たちが住む家に入ることになります。

 

『漢南洞ケイハウス』ではこの男の子を世間知らずに田舎者に描写。

道を教えてもらったお礼に大きなワカメを渡したり、60年代に使ってたような韓国の伝統テーブルを引っ越し荷物として持って来たり、そういった姿が面白おかしく描かれています。

また彼が”ゲイ”という言葉も知らずに、ネットで言葉を検索して衝撃を受ける場面もあります。

 

これに対して韓国では「作家が地方出身の人を馬鹿にしている」「どこの島なの、文明に遮断されたアマゾンとか」と、田舎者をバカにしているとの批判が出ています。

確かに今時、韓国では小さな島だって携帯の電波だってインターネットだって出来ますしね。

ましてやデザイナーを目指していた男の子ならテレビやインターネットで様々なカルチャーに接してきたはずです。

いくらキャラクター設定だとは言え、現実味がまったくないと言えます。

 

非難の理由2、LGBTを笑いものにしている

画像:https://comic.naver.com/webtoon/list.nhn?titleId=718707

 

『漢南洞ケイハウス』が非難されている理由はLGBTを笑いものにしているということです。

先ほど説明したように21歳の主人公は”ゲイ”という言葉も知らずにインターネットでそれを検索します。

 

そして検索した結果に出てくる「(ゲイから)逃げて」「病気だよ」といった人々の激しいコメントを見て、衝撃を受けてしまいます。

自分がゲイではないのに、ゲイだと誤解されたと思い、逃げようとする主人公の姿は、LGBTの方にとっては傷つく話だと思います。

 

もちろんパク・テジュンさんも誤解はされないようにと思ったのか、”完全に偏見”、”偏見が出来上がるプロセス”だと書いています。

しかしそうだとしても”病気”などひどい言葉をあえて使う意味があったのかという疑問は感じられます。

 

連載先あるNAVERウェブ漫画にはこのような批判が出ていました。

 

「私たちがゲイに対して持つ偏見をそのまま表現したよね。ゲイに対する偏見を壊したいのか、偏見を作りたいのか分からない。」

 

「ファッション漫画だったならあえてLGBTを持ってきて刺激的な要素を作る理由がなかっただろうし、偏見に対する批判をする漫画なら、作品自体が偏見を持って書いたものだよんへ。」

 

「人の性の部分を面白おかしく描いているのは指摘すべきじゃない?男の子はセクハラされたって容認するわけ?」

 

「これは外見至上主義よりもっと敏感なテーマなのにあまりにも準備せず連載始めたと思う」

 

「偏見うんぬん言いながら笑いのネタにするの吐きそう」

 

出典:https://comic.naver.com/webtoon/

 

これからストーリーが展開していくと、また違う意見が出てくるかもしれませんが、今の時点では批判の声が大きい『漢南洞ケイハウス』。

パク・テジュンさんは『漢南洞ケイハウス』については特に発言をしていない状態なのですが、今後、どういう展開になるのか注目されると思います。

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