映画館の年間入場者数が2億人を超える映画大国の韓国!
韓国より人口数が2倍以上ある日本が年間入場者数1.74億人(2017年基準)ですから、韓国人は本当に映画をよく見るってことが分かりますね。
そして映画がたくさん見られている分、公開される作品数も、競争も激しいのは当たり前です。
そんな映画大国の韓国で、2018年、一番人気を集めた作品は何でしょうか。
2018年1月1日から12月20日まで、韓国で上映された韓国映画の観客動員数ランキングを紹介します。
※韓国の映画振興委員会(http://www.kobis.or.kr/)のデータを基に作成しています。
※2017年に公開した作品もありますが、 観客動員数は公開後の累積ではなく、2018年1月1日からのものです。
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目次
◆2018年韓国映画観客動員数ランキング
10位 それだけが、僕の世界(그것만이 내 세상)
・出演:イ・ビョンホン、パク・ジョンミン、ユン・ヨジョン 他
・公開日:2018-01-17
・観客動員数:3,419,259人
イ・ビョンホンの新しい演技で話題を集めた『それだけが私の人生』。
イ・ビョンホン演じる元ボクサーで、今は特にやることもなく怠慢な人生を送っているジョハが17年ぶりに母と再会、弟のジンテと同居生活が始まります。
弟のジンテはサヴァン症候群ですが、ピアノの実力だけは誰にも負けない天才肌。
性格も行動も真逆のジョハとジンテが少しずつ兄弟としての絆を深める姿がドラマチックに描かれています。
とにかく主演俳優2人の演技力が光る映画で、ファンの方ならかならず見てほしい作品です。
日本では2018年12月28日に劇場公開します。
9位 国家破産の日(국가부도의 날)
・出演:キム・ヘス、ユ・アイン、ホ・ジュンホ 他
・公開日:2018-11-28
・観客動員数:3,675,663人
『国家破産の日』は1997年、韓国で通話危機があった時、それを何とか阻止しようとする韓国銀行の社員を主人公にした映画です。
正義感溢れて政府の高級官僚にも物申すカッコいい社員を演じたのは、ベテラン女優のキム・ヘス。
女性がワントップ主人公となる映画が少ない韓国で、彼女の存在感が光る作品となっています。
また通話危機をチャンスに大胆だけど正義感なんてひとかけらもない金融マンを演じたユ・アインも映画に良い緊張感を与えています。
ただ金融危機をメインテーマにしている割には映画に深みがないとの指摘も。
本格的な金融映画を考えるとちょっと期待外れになってしまうと思います。
8位 暗数殺人(암수살인)
・出演:キム・ユンシク、チュ・ジフン 他
・公開日:2018-10-03
・観客動員数:3,789,321人
タイトルの『暗数殺人』の“暗数”は、警察に認知されなかったり、証拠不十分などで検挙出来なかったことを意味する言葉だそうです。
『暗数殺人』の主人公は天才的な頭脳を持つ連続殺人鬼のカン・テオ(チュ・ジフン)と、その犯罪の真実を暴くために奮闘する刑事のキム・ヒョンミン(キム・ユンシク)。
二人とも演技力には定評がある俳優で、終始、二人の間で流れる緊張感が、この作品の見どころだと言えます。
韓国の映画評論家たちからも、韓国映画にありがちな過度な感情表現をすべて排除したことで、淡泊だけどとても完成度の高い作品になったと評価されました。
7位 工作(공작)
・出演:ファン・ジョンミン、イ・ソンミン、チョ・ジンウン、チュ・ジフン 他
・公開日:2018-08-08
・観客動員数:4,974,516
1990年代に実在する韓国人スパイを主人公にした映画『工作』。
ファン・ジョンミン演じるパク・ソクヨンは、韓国政府の指令を受け、軍隊を除隊して事業家に変身して北朝鮮高級官僚に近づきます。
家族にまで仕事内容を隠し、人生をかけてスパイ活動を続けるパク・ソクヨンは、任務を無事に終えることが出来るのでしょうか。
スパイが主人公の映画ではありますが、アクションシーンがほとんどなく、頭脳と頭脳の戦いだけで話が進んでいくので、好き嫌いは分かれそうな作品です。
韓国でも”会話だけであれだけ緊張感持たせるのはすごい”という意見と、”スパイ映画なのにシーンが平凡すぎる”と意見が分かれていました。
ただこれが1990年代に本当にあった話(一部の各色はありますが)だと思うと、ひやりとする部分もあり、かなり見ごたえがある映画だと思います。
6位 毒戦(독전)
・出演:チョ・ジンウン、リュ・ジュンヨル、キム・ジュヒョン、パク・ヘジュン他
・公開日:2018-05-22
・観客動員数:5,063,664
『毒戦』は2013年に公開された香港映画をリメイクしたノワール作品です。
アジア最大の麻薬組織で起きた疑わしい爆発事故。
麻薬組織を数年間追ってきた刑事のチョ・ウォンホ(チョ・ジンウン)は、爆発事故を機に麻薬組織を検挙しようと動き出します。
そんなある日、彼の前に組織から捨てられたという一人の若者が現れますが…若者の正体とは何でしょうか。
韓国ノワール映画が好きな方ならかならず見てほしい秀作ですが、映画自体の評価はどちらかというと低い方です。
俳優の演技は素晴らしいのに、演出がちょっと惜しいという感じでしょうか。
日本での公開はまだ決まっていないとのことです。
5位 完璧な他人(완벽한 타인)
・出演:ユ・ヘジン、チョ・ジンウン、イ・ソジン、ヨム・ジョンア、キム・ジス 他
・公開日:2018-10-31
・観客動員数:5,281,117
『完璧な他人』は2016年のイタリア映画『おとなの事情(原題:Perfetti sconosciuti)』をリメイクした作品です。
幼馴染のカップルたちが久々に集まったパーティーの時に一人が「パーティー中に携帯にかかってくる全てのメール、電話はシェアする」というルールのゲームを提案します。
誰もが後ろめたいことなんて一つもないと堂々とゲームを始めますが、それが思わず展開に…
ストーリーだけを聞くとありきたりのコミック映画のように思われますが、実は期待以上のものを見せてくれる作品です。
韓国では”人間関係の多層的側面を見せてくれるブラックコメディ”として、出演俳優たちの演技も素晴らしいと評価されました。
4位 1987、ある闘いの真実(1987)
・出演:キム・ユンシク、ハ・ジョンウ、ユ・ヘジン、キム・テリ他
・公開日:5,290,310
・観客動員数:2017-12-27
1980年代、軍部独裁政権が国を抑圧していた時代に起きた実話をベースにした映画『1987、ある闘いの真実』。
普通の大学生パク・ジョンチョルが警察の無惨な拷問により死亡、証拠隠ぺいをはかる政府関係者と、真実を追う検事と記者、学生たちの姿が描かれています。
韓国では歴史教科書にかならず載るほど大きな事件で、ある意味、“みんなが知っている話”ですが、緊張感あふれる展開で、映画ならではの魅力を感じられる作品だとの評価です。
実話を基にしているのでドキュメンタリー風かと思いきや、とてもエネルギッシュな映画なので、観客の期待を良い意味で裏切ったとも言えます。
日本では2018年9月に公開、映画評論家を中心に高い評価を得ています。
参考記事
3位 安市城(안시성、アンシソン)
・出演:チョ・インソン、ナム・ジュヒョク、パク・ソンウン
・公開日:2018-09-19
・観客動員数:5,440,186
『安市城(アンシソン)』は朝鮮半島にて紀元前1世紀に存在した国の高句麗(コグリョ)がたった5,000人の軍隊で、中国の唐の20万人の大軍に立ち向かった戦いを描いたブロックバスター歴史劇です。
ブロックバスター歴史劇だけあって、戦闘シーンがとっても見応えがある!
歴史劇なのにまるでハリウッドのヒーロー映画を見ているような錯覚に陥るほど演出が上手いとの評価を受けています。
ただそれだけと言えばそれだけの映画…俳優の演技もちょっぴり物足りないという惜しい部分もありました。
映画館で見るには迫力があって良いかもしれませんが、家でゆっくり見るには向かない作品かもしれません。
2位 神と共に-罪と罰-(신과 함께 –죄와 벌-)
・出演:ハ・ジョンウ、チャ・テヒョン、チュ・ジフン、キム・ヒャンギ 他
・公開日:2017-12-20
・観客動員数:5,872,007
『神と共に-罪と罰-』は韓国で大人気のウェブ漫画「神と共に」を映画化した作品です。
2017年年末に公開されたんですが、2018年韓国映画観客動員数ランキングでなんと2位にランクインしました。
作品の背景になるのは、人の死後の世界。
仏教を基にしている韓国の伝統的な考え方(日本も似ていますが)で、人間は死後、49日間、7つの裁判を受けて、生まれ変わるか地獄に落ちるかが決まるということです。
映画の主人公は数多くの人々の命を救った一人の消防士。
何の罪もなく潔白そうな彼の人生の真実を、7つの裁判を通じて描いています。
作品としての評価も高く、俳優陣も豪華ですが、残念ながらまだ日本での公開予定は発表されていません。
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1位 神と共に-因と縁-(신과 함께 –인과 연-)
・出演:ハ・ジョンウ、チュ・ジフン、キム・ヒャンギ、マ・ドンソク 他
・公開日:2018-08-01
・観客動員数:12,274,846
2018年韓国映画観客動員数ランキングで1位になったのは『神と共に-因と縁-』。
みなさんお気づきだと思いますが、2位の『神と共に-罪と罰-』のシリーズ作で、『神と共に』シリーズの第二作となります。
2018年の観客動員数1200万人と、2018年唯一観客動員数1000万人を超えた作品となりました。
前作は人の死後の世界を描いていますが、『神と共に-因と縁-』は、現世と来世を行き来しながら物語が展開していきます。
マ・ドンソクなど存在感のある俳優が新しく加わったことや感動あり、ユーモアありのストーリーで前作よりグッと面白くなったとの評価を受けました。
日本でも共感できるストーリーとなっていますので、ぜひ日本でも公開してほしいですね。
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