1988年当時、サウジアラビアへ出稼ぎに行っていたはずだったテジュの父親。
実はサウジには行っておらず、テジュは意外な場所で父親と出会ってしまうのでした。
こうして意図せずとも、徐々に自分の家族に近づいていってしまうテジュは、そこで今まで自分が知らなかった父の姿を見てしまいます。
しかし今回は、そんなテジュにも束の間の幸せな時間がやってきます。
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目次
【序盤】
賭博が行われているという通報を受け、ハワイルームサロンを捜査していたテジュ。
トイレに逃げ込んだ賭博関係者と思われる男女のうち、男の方はなんとテジュの父だったのです。
あまりの衝撃に、テジュは小さく「父さん・・・」とつぶやいたまま、身動きすら出来ませんでした。
警察に連行された父は、急にトイレに行きたいから手錠を外してくれと言い出します。
イ刑事はダメだと言いますが、テジュはその手錠を外してしまいました。
しかし父はテジュの配慮を裏切り、トイレの窓から逃亡しようとしてしまいます。
ふたたび捕まった父は、逃げ出そうとした理由をこう話しました。
「私はサウジに行っていることになっているので、家に連絡されたら妻と子供に合わせる顔が無いと思ったんです。」
それにしてもこの人物は、テジュとはまったく真逆の性格で、本当に父親なのかと思うほどかなりのお調子者に見えます。
調べた結果、父は賭博の首謀者・ロータリー派とは関係なさそうだということで釈放されることになりました。
しかし先ほど逃げようとした件もあり、調書に書いた住所が本当かどうか確かめるために、テジュが父と一緒に家まで同行することになったのです。
家に行く前、父はハワイルームサロンに立ち寄ります。
どうやら今まで、ここの廊下のような狭い空間で生活していたようでした。
「家族にお土産を持って行くんだ。」
父はそう言って、サロンで客に出すキャンディを「これは息子のテジュに」とニコニコしながらポケットいっぱいに詰め込み始めます。
次に父は、果物までカゴに詰め込もうとします。
それを見かねたテジュは、近所の青果店で自腹で果物を買い、父に持たせます。
父を美容室に送り届け、帰ろうとするテジュを家族たちは「晩ごはんを食べて行って」と引き留めます。
30年前の自分の家族たちと食卓を囲む、不思議な夕食。
もちろん幼い自分もそこにいます。
そして、家族に嘘をついて賭博場にいた父親は、こうしてみると本当にテジュを可愛がっているようです。
タイムスリップして以来、初めて見せるテジュの幸せそうな顔・・・。
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【中盤】
翌日、路地裏で男性が死んでいるという通報が入ります。
身分証から男性の名前はパク・ジョンナムと判明しました。
死体の側には、ガラスが割れた高級腕時計が落ちていて、ジャケットの中からは野球のチケットが2枚出てきました。
それはサムソン対ヘテの開幕戦のチケットで、ナムシク刑事の話では、かなり入手困難なものだと言います。
その上、そのチケットはまだ発売前で、予約も出来ないものでした。
「じゃ、このチケットはどこで手に入れたんだ?!」テジュとカン係長が同時に言います。
そして、最初は酒の飲み過ぎで凍死したと思われていたジョンナムでしたが、解剖してみるとあばらに少しヒビが入っており、殺人の可能性も出てきたのです。
死体発見現場から歩いて20分の距離に、ジョンナムの別れた妻と息子が住んでいました。
テジュは父が死んで悲しんでいる息子に、遺品の時計を渡します。
しかし息子は、この時計は父の物ではないと言うのです。
署に戻り、そのことをカン係長に報告するテジュ。
カン係長 「被害者の物でなければ・・・」
テジュ 「犯人の物でしょう。」
もう2人は息ピッタリです。
調査の結果、この事件にはダフ屋の組織が関わっていることがわかりました。
カン係長は、顔見知りのダフ屋を使い、その組織を仕切っている人物と会えるようセッティングさせます。
クラブの個室でその人物に会うテジュ。
テジュがチケットを1000枚用立てて欲しいと言うと、その男は難色を示し、部屋を出ようとします。
その時、個室のドアを開けて1人の若い女性が入ってきました。
「お兄さん、こんばんは~♪」
ミニスカートの派手な服装のその女性は・・・なんとユン巡査ではないですか!
呆気に取られるテジュ。
すっかり役になりきり、なかなかの演技を見せたユン巡査の活躍で、犯人に関する重大な手がかりを掴むことができました。
容疑者はキム・ウンシクというダフ屋仲間で、例の時計はその男のものだったのです。
テジュは、ジョンナムの息子を訪ね、殺された父のポケットに入っていた野球のチケットを渡しました。
ジョンナムは息子にチケットを渡すため、この近所まで来て殺されたのでした。
その話を聞いて涙を流す息子に、テジュはこう言います。
「父というのは、息子にカッコいいところを見せたくて時々ウソをつくけど、それは息子にとって最高の父でありたいと思っているからなんだよ。」
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【終盤】
野球の開幕戦当日、ウンシクは球場に張り込んでいた警察に逮捕されました。
ジョンナムとの間に、仕事を辞める辞めないのトラブルがあり、そのことから殺人を犯していたのです。
犯人を逮捕し、球場から署に戻ろうとしたテジュの耳に、聞き覚えのある声が聞こえてきました。
そこには野球観戦に来ていた、6歳のテジュと父がいたのです。
父は6才のテジュに、「ヘテの選手から必ずサインボールもらってくるぞ!」と言って、選手たちが乗ったバスを走って追いかけて行きます。
しばらくして父は、頭上に高々とサインボールを掲げて戻ってきました。
嬉しそうな6才のテジュ。
大人のテジュは、この光景を今でもハッキリ覚えていました。
この時から、このサインボールはテジュの宝物になったのです。
しかしサインボールを間近で見た瞬間、突然テジュの頭の中に、いつも夢に出てくるあのシーンがフラッシュバックしたのです。
暗い廃墟の中で、のぞき穴から向こうをのぞく幼いテジュ。
そこには血だらけの女性が横たわり、指先には赤いマニュキュアが塗られています。
すると突然、のぞき穴の向こうに男が現れました。
その男の顔・・・それは、テジュの父親だったのです!
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【ライフ・オン・マーズ 6話の感想】
幼い頃に死んだ父と1988年の世界で再会し、束の間ながらも幸せな時間を過ごすことができたテジュ。
しかし出会った父は、今までテジュが知っていた父ではなく、どうやら裏の顔も持っているようです。でもテジュに対する愛情には嘘がないように感じます。
息子のためにバスを追いかけて行ってまでサインボールをもらってくるなんて・・・。そこまで頑張れるなら、なぜサウジに行って頑張って来れなかったんだろう?なんて思ってしまいますけどね(笑)。
テジュがいつも見る不気味な夢、そこに登場した父の顔。
テジュは幼い日に、一体何を目撃したのでしょうか?続きが楽しみです!