Mr. Sunshine(ミスターサンシャイン)1話のネタバレあらすじ結末の感想

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韓国の大学で日本語学科を卒業し、「大韓翻訳院」の翻訳家育成教育を修了。 日本語能力検定960点。 現在韓国在住で、韓国語教師の仕事にも従事している。

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奴婢の息子、米国海兵隊士官。父も母も生まれながら朝鮮の奴婢であったが黒い髪の米国人の男。したがって、異邦人の冷静さ、侵略者の傲慢さ、傍観者の蠱惑を持つ男。

9歳になる年、主人のキム判書は私奴婢のユジンの親を殴り殺しキム氏家紋がいかに勢家であるかを知らしめた。財産を失ったのはすこしもったいないが奴婢どもにいい見せしめができたので損じゃないと言い放った。それが、ユジンが覚える最後の朝鮮であった。

ユジンは走ってまた走った。朝鮮の外へと走った。朝鮮から一番遠いところへと。そういうユジンの眼の前に青い目をした金髪の西洋鬼の船が見えた。米国軍艦コロラド号であった。海を渡っても最底辺の人生であるのは変わらなかった。勝つまで戦い、負けたらもう一度戦った。そうしていると彼の名前にはいつも初の文字がついた。東洋系初米海兵隊士官任官。東洋系初米勇者勲章受勲。最初がなるまでの過程のほとんどは差別であった。差別に打ち勝つと特別になった。そして彼は米国海兵隊士官として朝鮮へ帰ることになった。朝鮮の奴婢だった少年は故郷に対し何を思い、何をなすのか。

 

今回、紹介するドラマ、ミスターサンシャインは朝鮮の開花期の物語です。歴史関係のドラマは今までかなりの数ありましたが、開花期の義勇軍のドラマは今回が初めてじゃないかと思います。俳優陣もとても豪勢で、主人公のイ・ビョンホンに加え、ヒロインのキム・テリとこれだけでもお腹いっぱいなのに、シナリオ作家はあの「太陽の末裔」、「鬼<トッケビ>」の作家だそうです!これは名作の匂いがぷんぷんします!それでは物語のほうをみてみましょう。

 

 

1871年6月10日の朝鮮。朝鮮王朝は急激な変化を迎えます。いきなり現れた米国艦隊は朝鮮との修交を要求します。朝鮮の臣下はこれに猛反対。米国について何もしらないくせに、ただただ「オランケとの交流などありえぬ!」と主張する臣下たち。幼き朝鮮の王はただ臣下の言葉にすがるだけ、彼に何かを期待することはできないでしょう。このままだと米国艦隊との戦争は逃れられません。いくら世界情勢に疎い朝鮮だとしても戦力の差は明らかだろうに。しかし臣下の言葉に迷いはありません。朝鮮の兵力はたったの500ですが。銃と大砲、そして火薬をうまくつかえばオランケなど事足りると主張します。

変化を向けるのは王政だけでなくヤンバンも一緒です。彼らはこの危機の中、自分らの地位を守ろうと、この期に利用し出生しようともがきます。しかし、いつも彼らの犠牲にされるのは力のない人たち。今回もヤンバンの出生のため、きれいな顔をした奴婢は賄賂として売られることになりますが、その奴婢の夫はそれを聞いていました。

場面は変わり、奴婢の少年は空を見上げます。体にそぐわない荷物をもった少年は自分の家へと戻りますが。そこには自分の両親が、父が殺されそうになっています。少年の両親は売られることになったきれいな顔の奴婢とその話を聞いていた奴婢だったのです。少年の父は妻を連れて逃げようとしました。ヤンバンのキム判書は見せしめとして少年の父を殴り殺すよう命じます。

「ご主人さま助けてください」

少年はすがります。なんとかして父を助けようと必死にすがります。しかし、いくら泣いても何も変わりません。奴婢が何を頑張ってもなんにもなりません。ただ泣き崩れるだけ。面倒になったのかキム判書は少年も殺すよう命じます。それを聞いた途端、母は変わります。すぐさま、近くにいたヤンバンの女性を人質にとります。値の張りそうなヤンバンの飾りをとっさに奪い、息子へ投げます。

「絶対にこめ半だわらの値以下で売っちゃだめだよ!早く逃げて!」

母は息子へと泣き叫びます。そして髪飾りのピンで威嚇しながら、なんとか息子だけは逃がそうとします。もちろん彼女は知っています。自分も夫にももう生き残ることはできない。自分らについては何も期待していません。せめて、せめて息子だけはなんとしても逃がそうともがきます。息子だけでも生きられたら、それは無駄死じゃないから。

キム判書は弓を持ちます。息子を弓で撃ちます。母はもっともっと威嚇するしかありません。かなしくなるほどもがきます。なんとか、息子が逃げられる時間を稼いだと思ったのか。母は崩れ落ちます。

「殺して」

母はキム判書にはっきりといいます。殺してと。

「いや、苛つくけどお前は賄賂の財物だから殺さないよ」

代わりに、半殺し状態の少年の父を撃ち殺します。少年の母は、家族の陵辱した、主人を報いるため自分の命を絶ちます。

 

少年は走ります。走って走って、もっと遠くへ走ります。キム判書は追奴を雇います。

(追奴、それは専門の追跡家です。当時、鬼畜なヤンバンから逃げる奴婢は数多くいたそうです。そういった奴婢専門の追跡家のことを追奴と呼びます。追奴という韓国ドラマもありますので、興味のある方は調べてみましょう)

何日も逃げた少年はある家へつきます。とあるおじさんの家。陶工おじさんの家です。おじさんは口は汚いですが、少年を助けてあげます。

そして驚くことに、米国人がおじさんの家へ訪ねます。なんと陶工おじさんの陶物を買いたいそうです。しかしなかなかおじさんは陶物を売ってくれません。その時突然、遠くから爆破音が聞こえます。戦争です。

 

当時、朝鮮は米国と小さい戦争をしました。朝鮮軍死亡者350名、一方、米国死亡者3名。明らかに不利な戦い。絶対勝てない戦いでした。米国艦隊の大砲の前では朝鮮軍は無力でした。しかし朝鮮軍は決して逃げることはなかった。戦う。敗北すら見えなくても脱走兵は一人もいなかった。ただひたすら戦った。火縄銃を構え、縄に火をつける。仲間が死ぬ。もう一度火縄銃を構え、火をつける。また仲間が殺される。しかし朝鮮軍は戦うことをやめなかった。戦場から逃げることはできなかった。剣と槍が折れたら、道端の石で戦った。悲しくなるほど戦った。なぜか。当時の朝鮮軍は近辺の住民だったからだ。

少年は火をつける。大砲にも火縄銃にも火をつける人が必要だった。少年は火をつけまわった。

「火!火!」

「父さん、もう逃げようよ!」

「俺らが逃げたらここは誰が守るんだよ!火!火!はやく!」

「逃げようよ!逃げようよ!」

「こんちきしょうが!」

少年の父さんは死んだ。名もなき少年の父は死んだ。

少年は最後に、父さんの銃で敵軍へと撃った。しかし、これはどういうことだろう。撃たれたのは朝鮮人ではないか。朝鮮人がどうして米国どもと一緒にいるんだろう。

 

朝鮮王政。250名の死亡。朝鮮の敗北であったが、臣下の言い分は違った。

「殿下!しかしながら我々は負けておりません!」

そうであった。明らかな敗北であったか、朝鮮は決して敗北を認めていなかった。まだ領土は奪われてないのでまだ負けてはいないとのことだ。当時、戦争に勝った米国は有利にことが運べると期待したが、朝鮮は決してめげることなく、相変わらず頑なに米国と交流を拒んだ。むしろ朝鮮は斥和碑をたてるなど、頑固にもほどがあった。

「今回の戦いには負けましましたが、米国どもが望んだ修交は結んでおりません!」

「我々は彼らの要求に屈しなかった、一方米国は自分の望みを叶えられなかったです」

「いわば、我々はぎっしりつまった敗北を、そして奴らは空っぽの勝利をしたと言えるでしょう」

奇跡的な精神勝利を奏でる臣下。しかし大事なのは勝敗ではなく捕虜関係です。多くの民衆が捕虜として囚われました。そこでも臣下のびっくり論理

「捕虜送還などどうでもよいです!彼らは自分の任務を全うできなかった卑怯なものどもです!もう帰ってくるなといってやるのです!」

いくらドラマといえひどい仕打ちだ。それを傍観する王様もまた同様の外道ですが。これが朝鮮の歴史です。幸いなのは米国の対応。

「少し脅せば日本のように降伏すると思ったのにな、かなり抵抗するな」

米国の将軍はそう言い。捕虜をすべて国へと返してあげます。

「米国は正義の国である。彼らは自分の国のため必死に戦った。我々は彼らを尊重し、捕虜から開放する」

そうして、最後に銃を構えた少年は自由になります。しかし捕虜たちは知ってます。朝鮮のために必死に戦った我々は朝鮮に捨てられたことを。朝鮮が捕虜を見捨てたことをすべての捕虜に知れ渡りました。

少年は父の墓を作ります。周りにはたくさんの家族のたくさんの墓がありました。そういう少年にさきほどの陶工おじさんが訪ね、彼を慰めます。父の死はとても価値ある死であったと。

「お前の父の義のある死だよ。この地のすべての人達のために命をかけた。それを忘れないでくれ」

「おっさん、俺は・・・、おっさん。絶対に親父みたいには死なない」

「己の民衆も捨てるこんな国、俺の手でぶっ壊してやる」

「おっさん、俺は逆賊になるよ」

おじさんは言い返すことなく、ただ少年をみつめた。

 

 

場面は変わり、陶工おじさんの家に追奴が訪ねて、親を殺された少年の行方を聞きます。幸いおじさんは武の心得をもっており、追奴を追い払いますが。この成り行きを少年は隠れて見てました。

「おい!失せろと言っただろう!」おじさんは少年に怒鳴ります。

「父はなぶり殺され、母は井戸へ身を投げました。私は追われていて、捕まったら殴り殺され、捕まらなかったら飢え死にます。朝鮮に私の居場所はないです」

「それはお前の事情だろ。俺は俺の身一つで手一杯だ」

おじさんにすがる少年。そしてこのタイミングに陶物を買いたがる米国人が訪ねます。

おじさんは米国人に話します。

「おい!かみさまってのは本当にいるのか??祈れば聞いてくれる?じゃぁ!おっきく祈れよ!こいつをつれてけってな!」

「あ、先生!こいつ知らないよ!こいつは先生がつかってよ」

「小僧、おまえは米国か何かへいっちまいな!、おい、ついてきな、陶物あげるから」

こうして、少年は米国へ旅立つことになります。

無論、米国での生活は大変なものです。髪の色はぜんぜん違うし、言葉も違う。差別が蔓延する。そういう環境で少年は数年生活しますが。そうするうち一つの希望を見つけます。それは軍人です。軍人のなかには黒人のひとが普通にいて、その人も彼らの仲間としてそこにいたのです。少年は思いました。自分が米国人になるためには軍人になるしかないのだと。

 

 

それから1875年になります。

義勇兵が出始め、物語は何か動こうとします。朝鮮に帰ってきた少年は何をするのか?そしてあの戦争で生き残った少年はどうなったのか?これから物語はどうなってゆくのか。気になることだらけですが、次回を待つしかないですね!

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